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アクロニアミニ劇場 第03話 【家族の定義】

始まりの会話

【紙芝居屋アイリス】
 さあ、みなさん。
 行く人、来る人、お暇な人、
 是非是非足を止めて
 お聞きになってくださいな。
【紙芝居屋アイリス】
 みんなの紙芝居屋さんですよー♪
 長い取材期間を終えて、この街で
 営業再開となりました。
 ……もちろん、騒ぎを起こすような事は
 いたしませんよ?
 
 世間で話題のあの人この人、
 知られていないこんな話。
 いろいろまとめて小箱に積めて、
 皆にお届けしちゃいますよ♪
 
 ……という訳で、聞いていって
 ください!

第一週

【紙芝居屋アイリス】
 まず現れたるは、立派な冒険者に憧れる
 鎧姿の翼を持った少女。
 ホウオウというモンスターが人間の姿に
 なったホウオウ・アルマさんですね。
 
 おなじカンパニーに所属する
 ギーゴ・アルマさんから
 声をかけられたようです。
【ギーゴ】
 ちょっといいかい?
【ホウオウ】
 なんでしょう?ギーゴさん。
【ギーゴ】
 アンタもアタイと同じで、アルマの家族が
 いるだろ?ちょっと話がしたくて。
【ホウオウ】
 そういえば、ギーゴさんも
 アルマのご家族がいますね。
【ギーゴ】
 ああ、自分で言うのもなんだけど、
 アルマ同士の家族なんて珍しいからね。
【ホウオウ】
 そうですね。
 私の家族は、一番上の姉がドミニオンで、
 次が私、一番下のキラがアルマの
 3人姉妹です。
 私たちが家族となれたのも、
 姉のおかげです。
【ギーゴ】
 ドミニオンとアルマ二人の家族か……。
 うちは、ニドとアタイの親子さ。
 元は違うモンスターだし、血は
 繋がってないけど、ニドは確かに
 アタイの娘、そう、自慢の娘なんだ。
【ホウオウ】
 自慢のご家族なんですね。
 ええ、私の家族も、他所様に誇れる
 素晴らしい家族です。
【ギーゴ】
 ところでさ、どうやってドミニオンと
 アルマで家族になったんだ?
【ホウオウ】
 ええと、あれはまだ、私がアルマに
 なる前、モンスターだった頃に
 遡ります……。
【紙芝居屋アイリス】
 ホウオウさんに家族ができたのは、
 かんぱにーの事件の時だそうですけど、
 それ以前の詳しい話は初めてかも
 しれません。
 どんなことがあったんでしょう?
 
 期待をさせつつも、そう!
 良い所で次回へ続く、なんです♪
 次回はこの話はもう聞けないから、
 お友達にも教えてあげて下さいね!

第二週

【紙芝居屋アイリス】
 アルマを家族に持つお二人、
 ホウオウさんとギーゴさんが、
 ホウオウさんの家族について
 お話をしています。
 ギーゴさんがホウオウさんに
 家族になった経緯を聞いたところ……。
 というのが、前回までのあらすじです♪
【ホウオウ】
 最初の出会いは、私がまだモンスターで
 雛鳥だった頃です。とある森で羽を
 怪我して飛べなくなっていたところを、
 姉のネーアとその妹さんに
 助けられたんです。
【ギーゴ】
 その妹がキラ?
【ホウオウ】
 いえ、ネーア姉さんの実の妹さんで、
 ネーア姉さんと同じドミニオンです。
 
 お二人は、私の怪我が治るまで
 必死に看病してくれました。
 怪我が治ってからも、私がある程度
 育つまでお世話してくれて。
 
 大きくなってからモンスターの群れに
 帰されたのですが、それまでとても
 親切にしてくれました。
【ギーゴ】
 へー、モンスターを世話するなんて、
 すごい人たちもいたもんだ。
【ホウオウ】
 ネーア姉さんのご両親がストライダー
 で、ブリーダーでもあったそうです。
 それで、家族全員、モンスターには
 慣れていたと聞いています。
【ギーゴ】
 でも、それだと、まだアルマになる
 前の話じゃないか?
 どうやって家族になったんだい?
【ホウオウ】
 その後、ずっと恩返ししたいと
 思っていたのですが、さすがに
 モンスターの姿では迷惑だろうと
 迷っていたんです。
 
 ネーア姉さんのように、人間の姿なら
 恩返しできるのに……。
 そう思っていたら、いつも間にかこの
 姿になっていました。
 
 これで恩返しができると思って
 ネーア姉さんたちを探す旅に出て、
 ようやくトンカ島でネーア姉さんを
 見つけたんです。
 
 ただ、その時、ネーア姉さんのご家族は
 妹のキラだけになっていました。
【ギーゴ】
 他の家族はどうしたんだい?
【ホウオウ】
 後で知ったのですが、飛空庭の
 墜落事故で亡くなられたそうです……。
【ギーゴ】
 !?
【ホウオウ】
 ネーア姉さんの前に出る勇気がなくて、
 しばらくネーア姉さんの後をこっそり
 付けていたのですが、あっさりバレて
 捕まってしまいました。
 
 焦って通りすがりの冒険者ですって
 言ったら、ネーア姉さんから
 「うちの危なっかしい妹を陰で
 見守ってほしい」って依頼されて、
 これこそ恩返しだと思って
 引き受けました。
 
 この時、ネーア姉さんには、私が
 前に助けてもらったモンスターだって
 ばれてたんですけど。
【ギーゴ】
 アンタとお姉さんの関係はわかったけど、
 キラはどこから?
【紙芝居屋アイリス】
 どうやらお話はまだ続くみたいです。
 しかし、ホウオウさん、実はモンスターの
 頃からご縁が続いていたなんて。
 家族に歴史あり!ですね。
 
 次は、妹のキラさんについて
 なにか新しいことが分かったり
 するのでしょうか?
 という訳で次回へ続く、です!

第三週

【紙芝居屋アイリス】
 ホウオウさんとギーゴさんが、
 ホウオウさんの家族について
 お話をしています。
 ホウオウさんがお姉さんとの
 出会いを語り……。
 というのが、前回までのあらすじです♪
【ホウオウ】
 私がアルマになってネーア姉さんを
 見つけたときに、ネーア姉さんと一緒に
 暮らしていたのは、私を世話してくれた
 実の妹さんではなく、キラでした。
【ギーゴ】
 その時には、キラはもうアルマ
 だったのか?
【ホウオウ】
 はい。人の姿でした。
 これも後でネーア姉さんから聞いた話
 ですが、キラと最初に会った時は
 モンスターの姿だったそうです。
【ギーゴ】
 モンスターの姿で連れてったのか!?
【ホウオウ】
 そのようです。
 ご両親の足跡を訪ねてモーグに
 行った時に、光の塔の近くで
 壊れかけたキラーマシーンを見つけて
 保護したそうです。
 
 キラーマシーンを治したら
 人の姿になり、本人も自分を人間だと
 思っているようだったので、
 そのまま妹にした、と。
【ギーゴ】
 ……アンタのお姉さんはすごい人だね。
【ホウオウ】
 ええ、自慢の姉です。
 ○○さんが
 トンカに来て、あの事件があって。
 いろいろありましたけど、
 ネーア姉さんが私達を家族と
 言ってくれて、出会った順番で
 私がキラの姉になったんです。
【ギーゴ】
 そんなことがあったんだね。
 それからすると、ウチの家族は
 もっと簡単だったよ。
 あれは運命の出会いだったんだ。
【ホウオウ】
 ニドちゃんとの出会いですか?
 ニドちゃんも可愛いですよね。
【ギーゴ】
 だろー?
 なんせ、一目でビビっと来たからね。
【紙芝居屋アイリス】
 そんなことがあったんですねー。
 ホウオウさんのお姉さん、実は
 大物なんじゃないでしょうか?
 
 話題はギーゴさんの家族の
 お話に移るようですね。
 という訳で次回へ続く、です!

第四週

【紙芝居屋アイリス】
 ホウオウさんとギーゴさんが
 家族について話をしています。
 ホウオウさんの家族についての話が
 終わって、今度はギーゴさんの家族
 のお話を……。
 というのが、前回までのあらすじです♪
【ギーゴ】
 アタイはなんでアルマになったのか、
 全然覚えてないんだ。
 で、この姿になっていろいろ旅を
 していた時に、モンスターの姿の
 ニドに会ってね。
【ホウオウ】
 ギーゴさんも、最初にニドちゃんと
 会った時はモンスターの姿のニドちゃん
 だったんですね。
【ギーゴ】
 正確には、会った瞬間に人の姿に
 なったんだよ。
 
 可愛いモンスターがいるなって思って
 見てたら、ニドもこっちを向いて
 目が合って、そしたらボフンってなって
 ニドが人の姿になったんだ。
 
 ああ、アタイと一緒だ。
 じゃあ、うちの娘だって。
【ホウオウ】
 えっ?
 なにか話が飛んだような?
【ギーゴ】
 いや、飛んでないよ。
 あの出会いで、アタイとニドは
 家族になったんだ。
【ホウオウ】
 一目ぼれ、というものでしょうか?
【ギーゴ】
 アタイにはニドが、ニドにはアタイが
 必要だったってことが、口に出さなく
 ても、一目で分かったってことさ。
【ホウオウ】
 やはりモンスターの種族が近かった
 からでしょうか?
 ギーゴさんもニドちゃんも、同じ鳥の
 モンスターでしたから。
【ギーゴ】
 それは関係ない。
 そんなことを言ったら、アンタん所は
 全然種族が違うじゃないか。
【ホウオウ】
 そう言われればその通りですね。
 家族にとって、種族が同じだとか
 違うとかは関係ないんですね。
【ギーゴ】
 そうそう。
 家族の関係に、余計なことを考える
 必要はないんだよ、きっと
【ホウオウ】
 勉強になります。
 これもメモしておかないと……。
【ギーゴ】
 ところで、アンタの妹のキラって、
 元は機械だったよな?
【ホウオウ】
 はい。元はキラーマシーンという
 機械のモンスターですが、それが何か?
【ギーゴ】
 かんぱにーには、最強最強って
 うるさい奴と、なんでもドリルで
 解決って言う奴がいるだろ?
【ホウオウ】
 ブリキングさんと
 フォックストロットさんですね。
 確かに、お二人とも元は機械ですし、
 そういう意味ではキラと近しい存在かも
 しれません。
【ギーゴ】
 アイツら、一緒につるんだり
 しないのか?
 
 うちのニドも、最近、近くの学校に通う
 他のアルマの友達ができたみたい
 なんだけど、親としてはもっと友達が
 増えてもいいのかなって思って。
 
 種族が近い方が友達になり
 やすいんだったら、アタイが見つけて
 やるってのもいいのかなって思ったり
 するんだよ。
【ホウオウ】
 うーん。一緒に遊ぶとかは
 聞いたことはないですね。
 あの子はトンカから通っているので、
 仕事が終わるとすぐに帰るんです。
【ギーゴ】
 なんか参考になればって思ったんだが、
 しょうがないか。
【紙芝居屋アイリス】
 アルマが家族を作る……。
 とっても興味深いお話ですね。
 種族についての疑問も
 尽きないところですが……。
 
 次回はホウオウ・アルマさんの妹さんの
 キラーマシーン・アルマさんと、
 同じタイニー・かんぱにーに所属する
 ブリキングRX1・アルマさん!
 お二人は機械、それともモンスター?
 いえいえ、アルマです。
 どんなお話が聞けるのでしょうか!
 ぜひぜひ、次回も紙芝居を聞きに来て
 下さいね♪